第二章「小浜節大会」その1(出場通知)・03.03.21.


女柄と判明した着物、どうしょう

正式のエントリー通知

ポスター(一部拡大)

3月21日12時45分、JTA85便は予定より約10分遅れて関西国際空港を飛び立った。アメリカ軍による、イラク攻撃が開始され、セキュリティチェックも9.11当時なみに厳しくなっている。

この正月には、フリーパスだった三味線も、「機体が小さい」とか「満席状態」とか、マクドナルドのアルバイトのようなマニュアル言葉を並べ立てられた後、ようやく機内に持ち込めた。

だいたい、戦争になったから「機体が小さく」なったり、「残席少々」のサインがボードに出ているのに「満席」になるはずがない。案の定、飛び立ってみると、そこここに空席がある。

3月12日、1通の封筒が届いた。達筆なペン字で私の名前が書かれてある。差出人を見ると、「小浜節大会・実行委員長」とある。分厚い。

「ひょっとして。」と、恐る恐る封を切ってみると、「小浜節大会出場について(通知)」「やったっ〜。」出場決定である。

出場者は全部で17名、私ともうひとりを除けば、全て沖縄県民、そのうち13名は八重山在住者である。唄う順番は7番目、まあまあ良い位置だ。

しかし、よく読んでみると、いくつか引っ掛かるところがある。「伴奏、笛、囃子は各自で準備すること」「服装は小浜節にふさわしい着物とする」「んっ。」ふさわしいというのはネイティブでないものにとっては、漫然としていてわかりにくい、いや、わからない。

手に負えないので、八重芸OBの漆畑さんにメイルで問い合わせてみる。私の持っている着物の写真も貼付した。いつも苦しい時は、漆畑さん頼みになってしまう。

返ってきたメイルを読んで、驚いた。知り合いにも聞いてみたと前置きされていて、「どう見ても女物」だというのである。「ん〜」思わずうなってしまう。

私の持っている着物は、生成地に絣柄がプリントされているのだが、その柄が大きいのである。身長がある程度あるので、大柄の方が良いと思って買ったのだが、失敗である。どうも大柄自体が、女性向きということらしい。

「良かったら私のを使って下さい。」と添えられていた一文が、とても暖かく感じられた。ここは、ひとつお言葉に甘えてお借りすることにする。

他にも、伴奏、笛、囃子と問題はあるにはあるのだが、一番の問題は、やはり唄である。まず、これを何とかしなくてはならない。再び、大工先生の音源に集中する。

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