|
|
「南の島」釘を使わない伝統建築 八重山そば・450円 「革道売り」の梅田要さん 全て手作りです 波照間ぬ島節 まるまぶんさん節 |
4月30日、気がついたらまた1人である。来る人、帰る人、離島の朝は忙しい。自分も帰る人の組なのに、発つ人を見送っているのが我ながらおかしい。 今日島を離れるのだという気がしなくて、三味線を取り出し、唄う。今日の唄は、島に残しておきたい自分の思いである。島の生活は、自分がいつか帰る旅人であることを、忘れさせる。 おかあさんに特大のおにぎりをもらって桟橋に着くと、周二さんに会った。いよいよ、奥さんが帰郷するのだ。「石垣まで僕が送って行くから大丈夫です。」と冗談を言うと、「おう」と笑って首を振っていた。島に設備があれば帰らなくて済んだのかもしれない。これも島の現実である。 帰りの船も快適そのもので、船は青い空と青い海のあいだをすり抜けていく。石垣港で、周二さんの奥さんと別れ、石垣での常宿となってしまった楽天屋に向かう。 少し時間が早かったので、荷物だけ預かってもらうつもりだったが、途中にある「南の島(パイヌシマ)」が、珍しく開いていたので、そばを食べていくことにする。この店は、前から気になっていたのだが、今までタイミングが合わず、入りそびれていたのだ。 「南の島(パイヌシマ)」石垣市字大川224・09808-2-8016・1100〜1500・1700〜2300・日曜定休 宿にチェックインしてから、散歩に出掛ける。アヤパニモールをぶらついていたら、手作りっぽい皮細工を、地面に並べている青年がいた。普通は、この手の店は素通りするのだが、何となく気になって声を掛ける。 聞くと、沖縄の植物を使って自分で染色しているのだそうだ。構造が面白いブレスレットを買うことにして、更に話を聞くと、滋賀県出身で、旅をしながら四国にしばらくいた後、沖縄にたどり着いたのだそうだ。来てみると、居心地がよくて、1年半くらいになるらしい。地元のものを使うという発想もいいし、包装も洒落ていた。 「革道売り」梅田要さん・090-6420-9669 宿に戻って、またおさらいをする。今回もまた一番気に入っている部屋になったので、気分良くつま弾く。日が傾いてきた頃「南の島」で食事を済ませ、「安里屋」へ。石垣に泊まる夜は「安里屋」に行かなくてはならない。 1部は安里勇さんの喉を味わう。めったにお目にかかれないので、動いている安里さんを見ると何だか不思議な感じがする。2部に入って、性懲りもなくまた飛び入りをしてしまう。唄は「波照間ぬ島節」。安里さんが隣で、笛を入れて下さったので、「本当っ」という感じで緊張しまくる。 やっとのことで唄い終えて、ステージを降りようとしたら、安里さんから、「もう1曲」と声が掛かる。おまけに笛の名手、小浜の石垣さんまでステージに上がってくる。この方、安里さんの最新のCDにも出演している実力者である。 やけくそで「まるまぶんさん」を弾く。これも何とか弾きおえて、ステージを降りる。ようやく酔いがまわってくる。今日もいい夜だ。1時をまわって、宿に帰る。 |
|