沖縄(黒島編その1)02.01.04


モヒちゃん、今頃どこを旅しているんだろう

ダイヴィングサービスを兼ねる

ウミガメが産卵する西の浜

これはアオウミガメの子供

八重山海中公園研究所

夕食には黒島の牛肉も使われている

2日目の夕食

テレビ画面で確認しながらログ付け

1月4日、ゆっくりと起き出し10時ギリギリに鍵をドロップアウトし、宿を出る。荷物が一緒なので、取り敢えずどこかに店に入ろうと、あやぱにモール近くを歩く。頭はまだ完全に寝ている。喫茶店があったので、色々探すのが面倒くさくなって入る。沖縄で喫茶店に入るのは多分初めてのことだ。ちょっと落ち着いて、考えてみようと思ったのだが、寒い。何と見上げれば冷房が入っているではないか。何と言うことだ。気温はまだ15度くらいのものである。思わず、フリースを取り出し腰に巻き付ける。冷やされたせいもあってか、多少頭が回り始めた。沖縄の人はこうやって、夜更かしした頭をシャキッとさせているのかも知れない、とアホなことを考えながら、今日の予定を考えてみる。

今日の宿は、黒島である。黒島では、スキューバダイヴィングの予約を入れてある。しかし、教本には、「ダイヴィングの前日は飲酒を控え少なくとも11時には眠り十分な睡眠をとりましょう」と書いてある。酒は飲むだけ飲んで寝たのは2時半である。それでなくても寒い。ダイヴィングへのモチベーションがどんどん下がっていく。結局昼頃までダラダラして、12時の船で黒島に渡る。船が着くと、見慣れた顔があらわれた。前日安里屋であった通称「モヒちゃん」である。仲本海岸の海の家で住み込みの留守番をしているのだそうだ。

彼は、アルバイトをしながら離島を旅していて、いつ帰るか決まってないのだが、「なんとかなりますよ」ともう半分以上沖縄化していた。船が着くたびに降りてくる観光客に自転車を貸し、直ぐに戻って海の家の番をする、という繰り返しなのだが、10回近く行ったり来たりするので結構忙しそうだ。仲本海岸は干潮時にリーフあたりまで潮が引いて歩いてリーフの外に出ることが出来る、と、モヒちゃんに教えてもらって、宿に向かう。

宿はダイヴィングサービスを併設する、民宿黒島である。荷物を置いてボーッとしてたら、朝からダイヴィングに出ていた客が帰ってきた。良く似た人がいるな〜と見ていたら、やっぱり本人だった。三線友の会の南さんだ。今回の旅では、大阪の知人に良く出会う。偶然と言うべきか、大阪で沖縄ファンの知り合いが増えたからと言うべきか、しかし、行く先々で出会うので、ちっとも南の果てに来ている気がしない。ホッとするが、南の島の一人旅という雰囲気が出ないのである(自意識過剰気味ではある)。喜ぶべきか、憂うべきか。ともかく、再開を喜び合ったが、「今日は絶好のコンディションです。潜らないともったいないですよ。」と言い残して、すぐに彼はまた3本目に出かけていった。

誰もいなくなった宿でダラダラしていようかとも思ったが、南さんに触発されて、シュノーケリングをしてみることにした。モヒちゃんが言った通り、4時を過ぎた仲本海岸に出かける。海岸は南西に面しているので太陽は真ん前にあるのだが、風が吹くとやっぱり寒い。彼はその前に1時間ほど海に入っていて、サザエを2ヶ採ってきていた。晩御飯のおかずにするのだそうだ。海人のようでたくましい。「全然寒くないですよ」と言われたが、寒い。それでも折角なので、リーフの外に出てみた。なるほど透明度は高いし魚の種類も多い。しばらく寒さを忘れて魚と水中を戯れる。近寄っても逃げないで、一緒に泳いでくれているようだ。

海から上がって、夕食まで時間があったので自転車を借りて近所を散歩する。もうひとつの浜、西の浜は砂浜でウミガメが産卵に来る場所として知られている、らしい。予備知識がなかったので、八重山海中公園研究所に行ってみることにする。ウミガメはデリケートな生き物でその生態は意外に知られていないらしい。八重山にはアカウミガメ・アオウミガメ・タイマイの3種のウミガメが産卵に訪れる。卵は約2ヶ月で孵化し、生まれた子ウミガメは、夜間に自力で海まで歩いて泳ぎ出す。砂浜に大きなゴミが落ちていたり、明るい照明がついていると子ウミガメが海に戻れなくなる。研究所では海に戻れなくなった子ウミガメを飼育しているので、実際に見ることが出来る。ただし、この研究所の場所が非常にわかりにくい。私の場合2回通り過ぎて、あきらめて、人に聞いてやっとわかった。ウミガメが泳ぐのを見ているうちに食事の時間となる。

八重山海中公園研究所・09808-5-4341

ダイヴィングサービスのある宿は、セルフ方式が多いのか、民宿黒島も半分はセルフである。おかずなどは並べられていて、御飯は自分で入れる。食べ終わったら食器を返しに行く。湯飲みとコップは自分で洗う。ここまで全て、慶良間の宿と同じであった。そして、テーブルを拭いた後、「ログ付け」と言う作業が始まる。その日のダイヴィングの記録を残すためなのだが、最近はデジタルカメラで水中写真を撮る人が増えたため、潜ってない人が見ていても結構楽しめる。カメラとテレビをコードでつなぐだけで、撮ってきた写真を、テレビ画面で見ることが出来るのだ。実は、私のカメラにもそのコードが付属していたのだが、気付かずに家に置いてきてしまっていた。時代への乗り遅れを感じる瞬間である。

南さんが言っていたように、とにかくその日はコンディションが良かったらしい。写真もきれいに撮れていて、だんだん気分が盛り上がってきた。宿のお父さんも「明日は晴れです。」と追い打ちをかける。みんなは朝から潜ると言うことだったが(これが正しいダイバーの姿)、やっぱり寒そうなので、2本目から入ることにする(これはまねしちゃいけないぐうたらダイバー)。

別棟にある部屋に戻ろうと外に出たら満点の星だった。こんなにたくさんの星が空にあるのを今までに見たことがない。オリオン座の四角の中に星が何十個も光っているのだ。しばし呆然と佇んで見上げていたら、まるで絵に描いたように星が流れた。

民宿黒島(ダイヴィングサービスクロシマ)09808-5-4251・竹富町黒島1948

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