里山便り「音羽山から」01.05.19


コバノガマズミ

モチツツジ

カマツカ

ミヤコツツジ

ツクバネウツギ

ヒイロタケ

シイの花

ビロードイチゴ

クサイチゴ
2001年5月19日 晴

午前中は家事をしていたので、出発は午後1時ごろになりました。下山予定地との関係で家から歩いて行くことにします。

音羽川に沿った道が山に入る辺りまでは、真夏のような日差しの下を歩くことになり、それだけでもう幾らかくたびれてしまいました。入口付近の道端にはクサイチゴが数個赤く実っていて、初夏の訪れを告げているかのようです。川沿いの道はすっかり深い緑に覆われ、今までの暑さは何処へ、ひんやりとした冷気が漂っています。土曜日の午後とあって、はや涼を求める人達が訪れていて道路には何台もの車が停まっていました。道路沿いの山の斜面には、今にも咲き出しそうなほどにいっぱいの蕾を付けた、エゴノキ、ウツギ、コアジサイなどがたくさん見られ、これからが楽しみです。

波切不動で湧水を戴きましたが、晴天が続いているため流がすっかり細くなっています。天狗岩経由で音羽山に登るため道路を離れ谷道へ入ることにしました。細々とした道は所々草に覆われ始め、季節は移り変わっている事を知らされます。

天狗岩に登ると実に心地よい風が吹き抜けていて、体が溶けてしまいそうなほどです。体を横たえ風に吹かれながら、風の音と鳥の囀りを聞きつつ目を閉じていると、いつしか淡い眠りに落ちていました。はっとして目覚め、しばらく休んで再び登り始めましたが、休み過ぎた体はすっかり緩んでしまって、何とも足の重いこと。 

稜線の東海自然歩道に出ると、にわかに華やいできました。まずコバノガマズミの白い小さな花の塊が。続いてヤマツツジの朱色の花とピンクのモチツツジの花が現われてきました。ヤマツツジは終わりに近づいていますが、モチツツジは今が見頃。モチツツジのガクや花柄はねばねばしていて(名前の由来です)昔はちぎって服に付けてよく遊びました。それから注意するとツクバネウツギとコツクバネウツギがたくさんの花を付けているのにも気づきます。ガクが羽根突の羽根に似たウツギだからそのように名付けられていますが、公園などの生け垣に植えられているアベリア(日本名はハナゾノツクバネウツギ)の親戚です。また木が白くなるほどいっぱい花を付けたカマツカも見られます。

間もなく音羽山頂上に出ましたが、今日は春のように霞んでいてあまり遠くまでは展望が利きません。先週白山に登った時はまれな好天で、琵琶湖周辺の山まで見えていましたから、その時の音羽山からは白い白山を見付けることが出来たかもしれません。頂上から北へ向うとすぐに、たくさんの花を付けた満開のツツジを見つけました。ヤマツツジともう一つはモチツツジとヤマツツジの雑種であるミヤコツツジとかいうツツジのようです。こんな豪華に花を付けたツツジを山で見るのはめったにありません。

さらに北へ向かい、東海自然歩道から分かれて1本東側の尾根道に入って行くことにします。冬の間は、この道から琵琶湖方面が時々眺められたのですが、今はすっかり木が生い茂り、全く見ることが出来ません。コシアブラやホオノキも大きな葉をいっぱいに展いています。ホオノキの下でクリーム色の大きな花びらを拾いました。見上げても花のありかは分かりません。鼻を近づけるとサロメチールのような匂いがするではありませんか。かってシラタマノキの実やミズメの樹で同じような匂いを嗅いだことがあり、このような匂いは自然界では珍しくないのだと納得しました。

シジュウガラやヤマガラなどのカラ類、ウグイス、ホオジロなどの囀りの中から、甲高い、しかしつまった声が聞こえてきました。「特許許可局」と聞きなされているホトトギスの声です。今年始めて聞く声で、正に「特許許可局」と聞こえるので、一度聞いたら忘れられません。それと共に「夏は来ぬ」の歌詞を思い出し、初夏なのだと実感しました。

やがて山間の住宅地に出、大谷駅まで私の拓いた道を行くことにします。山の所々が黄土色に見えているのは、夥しい花を付けたシイです。山間のためなのでしょう、この辺りは今が満開で、麓より少し季節が遅れています。道沿いの日当たりの良いところで、ビロードイチゴの実を見つけました。昨年は不作でしたが今年は豊作のようで、たくさんの実を付けています。熟れている実を2〜3個選んで戴きましたが、数ある木苺の仲間にあっては美味しい方の部類に入ると思っています。未熟な実がほとんどですのでもう少し後が楽しみです。

大谷駅に着いたのは午後5時過ぎ。今日もゆっくりと山を歩きました。

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