鑓温泉小屋遠景 何と言っても温泉 ここが源泉です 神秘的な御来光 杓子沢 クルマユリ ヨウヤクリンドウ |
2日目。予想通りの雨。もしもお天気が良くなれば、朝食前の暗いうちにもう一度白馬岳へ登り、そこでご来光を眺めよう!ということになっていて、一応4時には起床し準備をしていた。集合時間は4:40。様子を見に山荘の入り口へ行こうとしたら、そこでガイドに出会う。「全然ダメですねー」となんとも残念なお言葉。仕方ないですね。そのまま部屋へ戻り、朝食の時間5:30までもう一度寝直す。 朝食後6:40山荘発。今日は杓子岳〜鑓ケ岳を通り鑓温泉小屋を目指す。今日は温泉につかれるのだ!これも今回のメインのひとつです。しかし最初っから雨装備。先が思いやられるなー!とみんな若干重い足取り??この日は風もきつく、皆口数少なくひたすら足を前に進める。全く展望がきかず、カッパの帽子も視界を邪魔し、ただ足元を見つめて歩く。 そんな、ともすればつまらなくなる道のりに、今日もたくさんのトウヤクリンドウが華を添えてくれる。白いモヤの中に、緑の絨毯とクリームイエローのトウヤクリンドウが「頑張れ〜!」と励ましてくれているようで、なんとも心温まる気がする。今回の登山で最も心に残るものとなっている。 その他にも、ミヤマキンポウゲ、ハクサントリカブト、ウメバチソウ、チングルマの穂花、ウサギギク、クルマユリ等など。ちょっと珍しいらしいクモマニガナにもお目にかかる。(今みてもどれがどれだかわからないけれど・・) 天候が悪いため、杓子岳は巻いてそのまま鑓ケ岳へ向かう。2時間半程で鑓ケ岳山頂到着。もちろん全く展望はきかない。ここも記念撮影のみで足早に去る。山頂からどのくらい歩いただろう?コマクサの群生地のそばで昼食となる。といっても季節的に少々遅いので、あたり一面のコマクサ!ってわけにはいかないけれど、私の数少ない登山の中では一番たくさんのコマクサを見ることが出来た。幸い昼食中には雨は上がっており、寒いなりにも楽しい昼食。 しばし休憩している間、参加者の1人がかがんでなにかしら熱心に眺めておられる。近寄ってみると、岩の合間に咲く花をスケッチしておられた。その方はカメラを持たず一切写真は撮っていない。いつもそうなのだとのこと。そして、心に留めた景色や花をスケッチし、時間が許せばその場で、時間がなければ宿もしくは家に帰ってから色を付けるのだそうだ。そしてそれに、その場所の情景や感想を少し書き入れておく。そのスケッチブックを見せて頂いた。あちこち行った場所の絵がとても温かみと個性があって素敵なのである。写真は美しいが、この絵にはかなわないなー!と思った。私にも絵心があればなー。と思わずにはいられない。いつかこの方のような絵が描けると良いと思う。 昼食後は鑓温泉目指して一気に下って行く。温泉到着の手前に鎖場がある。ガイド曰く「大して難しい鎖場ではありません。でも落ちたら命はありません」「・・・・・・。」いいんですけど、みんなその言葉で体が固まってしまった感じです。丁度1週間ほど前に他のツアーでその場所で滑落事故があったらしく、ガイドさんも神経質になってたのかもしれません。が、過剰なほどの警告(注意しすぎ!ってことはないんでしょうけど)に手足が震えそうだったのも事実。なんとか全員無事に渡り終え、鑓温泉小屋到着13:30。「さあ、温泉でのんびりしよう!!」 ここの温泉小屋は掘建て小屋のような山荘である。というのも、積雪の重みに耐えられないので毎年小屋締めの後にはバラしてしまうらしい。冬の間はそうして雪ノ下で眠っている。そしてまた春がきて雪が解けるころ、掘り出して組みたてるとのこと。毎年大変な作業である。小屋のすぐ上に源泉があり、そこから豊富な温泉を引いている。大きな露天風呂は下のテント場からは丸見えで、流石に入るには憚られる。一応混浴。だが、夜の8時〜9時の間だけ女性専用で開放される。下から丸見えを覚悟すれば(といっても辺りはすっかり暗いので大丈夫??)皆で入れば怖くない?? 他にもちゃんと囲いのある女性風呂もある。こちらにも展望風呂があり、それで充分ではある。温泉で疲れも冷えもしっかり落し、湯上りのビールの味もまた格別。夕飯までの長い時間、2日間を振り返り、またみんなの山体験談も尽きず、延々と宴会は続いた。その頃にはお天気も回復し、美しいサンセットを眺めることが出来た。今日1日のご褒美としては充分だった。 3日目は快晴。6:20温泉小屋発。澄んだ青空がまぶしい朝、今日は下山だけってのがとても惜しい気がする。鑓沢・杓子沢といくつか沢を渡り、今日はひたすら下るのみ。 途中に美しいクルマユリ畑。思わず立ち止まってカメラ撮影。下りの道のりもチョウジギク、ウサギギク、ウメバチソウ、ミヤマキンポウゲ、アカバナシモツケソウ、チングルマ等々、今回は本当に花々が見事であった。リンドウが何種類もあって、「あれは○○リンドウ」「こっちは△△リンドウ?」と花見に余念がない。しかし、それにもそろそろ飽きてきたころ、ガイドが「そろそろ、ヨウヤクリンドウをお見せします!」という。 一瞬新種のリンドウ??と思ったが、しばらくして気がついた。そうそう、もうすぐ猿倉から白馬尻小屋へ向かう林道に合流する。しかし、最後の最後までそのダジャレに気づかなかった人がいた。実際林道に出て「ヨウヤクリンドウのご感想は?」というガイドの質問に、それぞれ「ちょっと寂しいわー」とか「後ろ髪引かれるわー」とか言っているにもかかわらず、1人だけ「どれどれ?どこにあるの?」とキョロキョロしてた。笑っかしぃー。 最後の最後まで賑やかに楽しい登山であった。猿倉到着11:20、またタクシーに乗り合わせ白馬駅前着12:00、解散。 今回も雪渓体験、高山での温泉体験と初めての体験が豊富で楽しい登山となった。今年の夏もとうとう終わりか。。。。。。。。。 |