奥穂高・その2・02.07.27


ハクサンイチゲ

イワベンケイ

シャクナゲ

ザイテングラードの道

ミヤマキンバイ

クモマグサ

奥穂山頂から北穂・槍を臨む

禁断の山小屋就寝部屋

豪華な山小屋の夕食

7月27日(土)朝4時起床、4時45分集合、5時出発。いよいよメインイベントの奥穂高を目指す。昨日の歩行状態を見て約2名今日の行程は無理とのお達しを受けた。また自発的に辞めた人1名、計3名は小屋でお留守番となる。昨夜、テラスでの談義の中で、奥穂高の素晴らしさと共に恐ろしさ(危険と隣り合わせ)も随分聞かされており、若干不安がよぎるものの、「真剣に取り組むものを山は受け入れる」とのガイドさんの言葉を頼りにチャレンジすることとする。

小屋からはいきなり岩道が続き、昨日までとの違いを感じる。途中お弁当の朝食を取るがあまり食欲がない。朝早いせいか??またしばらく岩道を歩き約1時間。ザイテングラードと呼ばれる岩場の道に取り付く。ここからはまた厳しい道になり、クサリやハシゴ場もある。大きな岩を両手で掴みながら岩をよじ登るような恰好で登って行く。そして、ここに取付く手前でまた1人リタイア者が出た。高山病の気があるらしい。せっかくここまで来てさぞかし残念な事だろう。が、山では引き返す決断も重要なのだ。

少し余裕が出てきて辺りを見渡すと、あちこちに可愛い花が咲いている。そういえば奥穂高は花の百名山にも数えられていたのだ。主にはシナノキンバイ・ハクサンイチゲの白と黄色の花々が、そしてその他にもコイワカガミ・イワツメクサ・イワベンケイ・コバイケイソウ・ミヤマキンバイ・シャクナゲ・チングルマ。このチングルマは去年の爺が岳にたくさんあったのだが、季節的に花は終わっており綿毛の状態にお目にかかった。今年は花を見ることが出来、とても嬉しい。そういえば小屋のそばにはニッコウキスゲも咲いていた。歩くこと約2時間、7時40分穂高岳山荘到着。ここで小休止して、いよいよ奥穂高山頂登攀にtry!8時出発。

穂高岳山荘のすぐ横手からいきなりハシゴで登り始める。こんな岩山へ登れるのかと畏怖を抱きながらも、岩にしがみついて登っていく。しばらくすると、遠く青い雲海の向こうに富士山が微かに見えてきた。歓声が沸きあがる。疲れがどこかへ飛んで行ってしまう瞬間だ。するとまたしばらくして、槍ケ岳がその美しい姿を眼前に現した。こんなに近くに見ることが出来るとは・・・?!また溜息が出てしまう。山頂到達8時40分。文字どおり360度の大パノラマ。見渡す限り邪魔をするものは何一つない。それもそのはず、ここ奥穂高岳は日本で第3位の高峰を誇る山なのだから・・・。

第一位はご存知富士山3776m、第二位は南アルプスの北岳3192m、そしてここ奥穂高は3190m。北岳にわずか2mの差で負けているが、景観は本当に素晴らしく、奥穂高を愛する登山者は多いそうである。北を向けばすぐそばに北穂高・その向こうに槍ケ岳。東には常念岳〜大天井岳〜ちょとかすんで燕岳まで。槍から西岳を通って大天井へ向かう東鎌尾根は綺麗にその稜線を見せていた。南を向けば、眼下には上高地一帯を眺めることが出来、焼岳・霞沢岳が美しい。また、すぐそばにはいかにもいかついジャンダルムの岩山とその向こうに西穂高岳、そして見るには美しい吊尾根の姿とその向こうには前穂高岳。そして、遠く遠くには乗鞍岳・木曽御岳まで望むことが出来た。地図を眺めながら、あれがどの山とひとしきりお喋りの後、下山開始。9時丁度。

下山はやはり気を使う。ちょっとした事で大惨事になりかねない足場である。それに道が狭く、登りと下りを交通整理しながら歩かねばならない。大変なことである。神経を使うので時間の経過はあまり感じないうちに、穂高岳山荘まで戻ってきた。10時10分着。やはり登りより時間が掛かっている。

ここからは自由参加で、涸沢岳へ登る。約2名お留守番。奥穂高へ登った後では、涸沢は魅力が薄れてしまう人が多いそうであるが、やはり来たからには登っておかねば・・・と参加する。山頂での休憩15分も入れて、往復50分。奥穂の後では道も然程大変には感じない。標高3110m。山頂からは今登ってきた奥穂の姿を目の前に見ることが出来る。反対側には笠ケ岳が美しい。涸沢岳の山頂は絶壁で、ちょっと身を乗り出すと危険である。覗いて見て一気に気が引き締まった。

再度穂高岳山荘11時10分着。ここで昼食。30分休憩の後下山。ザイテングラードの道は帰りも気を使ったが、さすがに花や景色を眺める余裕があった。早朝だった登りよりも、陽があたってからの午後の方が花もたくさん開いていたように思う。白と黄色の花畑はそれは美しく、バックのハイマツやナナカマドの緑と雪渓の白とのコントラストはとても見事である。秋にはこの雪渓もお花もなくなるが、その代り紅葉で赤と黄色にあたり一面が覆われることになるそうである。是非秋にも一度訪れてみたい。涸沢小屋着14時、走行距離約7km、所要時間約9時間、歩行距離約7時間20分。

到着後、小屋に売っているトマトにかぶりつく。一つ300円とお高いがしかたない。冷たい山の水にひたしてあったそのトマトの美味しかったこと・・・。そしてまた今日もソフトクリーム。。。昨日に比べると、緊張感の割には疲れを感じない。まだまだ元気な気がする。今日一日を振り返り、お互いに頑張ったね!よく登れたね!と話も尽きず、お茶におやつに小宴会である。夕食後はツアー全体で反省会(のようなもの)。今更であるが、個々人の自己紹介や山に対する思い、今回の感想を延べあう。そしてツアー会社からは登山証明が手渡され、「登攀!ですよ」なんて言われてちょっと照れる面面、でも本当に大変だった。さすがに疲れが出てきたか?!まだまだ飲んでいる人を残して就寝多分9時頃。


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