奥穂高・その1・02.07.25〜26


横尾大橋

一人づつ渡る本谷橋

姿を現した涸沢

秋は紅葉の涸沢カール

カラフルなテント場

ソフト前か?後か?右手前円内が小屋の全景

本当は「白山」へ登るはずだった。って言ったら、山好きの方々にはちょっとおこられるかもしれない。。。が、本当である。今年のGWに「荒島岳」へ登り、目の前の白山に圧倒され「次は是非・・・」と思っていたのだ。そして、関西ツーリストで白山ツアーを申し込んで会社も休暇を取って・・・準備万端と思ったら、ナント人数不足で催行中止との連絡。唖然としてしまった。こんないい季節なのに・・・。しかし、めげてはいけない。で、同じ時期に催行が決まっていて、なおかつ空きのあるツアーを探したところ、「奥穂高」と相成った。

私のレベルで穂高などとはまだまだ程遠いと思っていたのに、なんだか勢いで申込んでしまい、後から「大丈夫かな〜」という不安がついてきた。しかし、ここで尻込している場合ではない。出発日は着々と近づいてきている。気合を入れてぶつかろう!

7月25日(木)夏台風が幾つか通過し、また一つ近づきつつあったその日。台風の進路を気にしながら夜9時半発の「さわやか信州号」という夜行バスに乗り、一路上高地へ。

上高地への入山にマイカー規制が行われていることはもう周知の事実であるが、今年からは観光バスも含めて沢渡で「低公害車」に乗りかえることになったそうである。朝早くに起こされて乗りかえるのは非常に不便ではあるが、自然保護の為にはその方が良いことは瞭然であるので、致仕方なし。そうして、上高地へ到着したのは翌26日朝6時半頃。登山ツアーのデスクで手続きを済ませ洗面・朝食・準備体操を行い、7時出発となった。

今回のツアーはコパン・ブラン・トレッキングスクールが主催している。尼崎の「山麓会」ご一行11名、東京から個人参加3名、関西から個人参加5名の計19名にガイド2名で21人のパーティーとなった。

上高地から横尾までは標高差100m程のひたすら歩くハイキングコース。梓川沿いに前穂高・岳沢・屏風を眺めながらの気持ちのよい山歩きとである。以前、上高地へ観光に行った際に、徳沢までは歩いていたので、おおよその感覚はつかめていた。

そこ、徳沢園は井上靖の小説「氷壁」で有名なのだそうだ。読んだことのある方は思い出して頂きたい。私はまだ読んでいなかったので、さっそく文庫本を購入した。急いで読んでみたいと思っている。

台風も西に反れ、雲一つない青空の下、横尾までのハイキング終了。ここまで約3時間。そしてこれからがいよいよ本番となる。

横尾からは蝶が岳・槍ケ岳・奥穂高へとルートが分かれている。数人の登山者と会話したら、色んな人がいた。今から蝶が岳へ向かう人、遠く薬師の方から縦走して降りてきた人等様々。みなそれぞれに期待と感動を胸に、満足気な表情が印象的である。私もそんな顔をしてたのだろうか??

私達一行は涸沢を目指し、横尾から梓川を離れ横尾谷へ入る。しばらくは川沿いを近づきつ離れつしながら歩く。しかし、道は今までのようなハイキング道ではない。がたがたと大きな石ころ道で足元要注意である。ゆるやかながら傾斜も出てきた。「これからが本番」というのが身に沁みてくる。そして、1時間、本谷橋に到着。この橋は小さなつり橋で、

大勢乗っては危ないので、1人1人合図を送りながら順番に渡って行く。そしてここからが登りは急になってくる。今までとは打って変わって、みんな寡黙になる。ひたすら足元に注意しながら一歩一歩踏みしめて上を目指す。Sガレと呼ばれるガレ場を通りぬけるとようやく涸沢を捉えることが出来る。しかし、まだまだ遠い。涸沢は、上高地からは前穂の真裏にあたるだろうか?出発時点ではまったく見る事が出来ない位置にあったが、今こうして自分の目で捕らえることが出来る。丁度前穂・屏風の裾を回り込んできた具合になるわけだ。よくまあ、ここまで来たもんだ!と自分で感心しながら歩いていた。

そうこうしている内に、残雪の上を歩くことになる。滑らないようにまたまた気をつけて一歩一歩歩く。気がつけば、辺りには一面に小さな白い花をつけたウラジロナナカマドが生茂っている。ここ涸沢は紅葉が有名なところだが、たしかにこのナナカマド全部が赤い実を着けるかと思うと、見事なものだろうと想像が出来る。
ナナカマドを堪能している間に、ようやくおおきく開けたテント場へ出た。赤・青・黄とカラフルなテントの花が咲いている。今回の宿「涸沢小屋」はまもなくだ。

涸沢小屋、標高2350m、到着時刻15:00、走行距離約17km、所要時間約8時間、歩行時間約6時間半

到着後、小屋へ荷物を下ろし、夕食まで一休み。ここの山荘はソフトクリームが美味しいと上高地で聞いてきた。女性陣はさっそく所望。とても冷たくて甘くて美味しい。満足の一瞬である。ここまで来た到達感と共に、今日をいとおしく振り返る一時でもある。そして、叔父様達はビール片手に山談義。他の登山者も交えて話しのネタは尽きない。そのうちウィスキーやおつまみも出てきて、ちょっとした宴会状態である。そこへ混じって、ガイドさんの話に耳を傾ける。

小屋前には大きくテラスが張り出してあって、そこからは涸沢・前穂がとても美しく見える。陽が落ちると前穂の1峰と2峰の間から一番星が上がるそうだ。今夜は出るだろうか?

夕食後、その一番星を見るべく、またテラスでワイワイと待っていたが、今の時期日が長いのでなかなかである。すると、前穂の1峰だけに夕陽があたり赤くなってきた。なんとも美しい様子にしばし見惚れてしまう。そして幸か不幸か月も満月に近い明かりでなかなか星が発見できない。しばらくして、真上に星を見つけることが出来、一同大騒ぎとなる。そして、よくよく見ると前穂の1峰と2峰の間にも星が上がっているのを見付けることが出来た。

まだまだ飲みつづける人々を後に、女性陣は早々と部屋へ引き上げ、明日に備える事にした。なんといっても足・腰のマッサージもせねばならないし・・・。

就寝時刻 多分夜9時


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