荒島岳(大野富士)02.04.26〜27


風邪かなっと思ったら

小荒島岳から荒島岳をのぞむ

道中にはまだ所々残雪が残る

カタクリ

イワウチワ

雪中の行軍を経て

やっと荒島岳山頂に

後ろは白山と別山

勝原コースの看板

まさにGWが始まる4月26日(金)夜、夜行バスに乗ってツアーはスタートした。

1週間ほど前に引いてしまった風邪がまだ良くはなっていない。「夜行バスの中でゴホゴホと咳込んでは周りにも迷惑だなー」などと思いつつ、勿論キャンセルするつもりはない。自然館のオーナーのお勧めでプロポリス喉飴を購入し、それを頼りにいざ出発!

今回チャレンジする「荒島岳」は福井県は大野盆地の南東にそびえる独立峰で、その姿の美しさから「大野富士」とも呼ばれている日本100名山のひとつである。標高1523.5m。福井・石川・岐阜3県の県境の南西、九頭竜温泉のある辺りと言ったら、だいたいおわかり頂けるかもしれない。

夜行バスでこの九頭竜温泉まで行き、朝の5時頃にそこの道の駅で身支度を整え、6時頃出発。登山口の「中出」へ7時前到着。バスを降り午前7時登山開始となる。プロポリス喉飴の効果は抜群で、おかげで咳ひとつせずに車中で熟睡することが出来た。体調万全、張りきって歩き出す。

この登山口からのコースは最初20分ほど林道を歩く。その後登山道へ入ってからも、所々林道とクロスしながらの道となっている。今年は例年よりも季節が少しずつ早めに訪れている感があるが、ここ山奥ではまだまだ春の始まりの気配がたくさん残っている。

バスを降りたところから、すでにうぐいすの美しい鳴き声に出迎えられ、林道を歩きはじめたら周囲にはフキノトウやぜんまいなどの山菜を始め、小さく可愛い花があちらこちらと咲いている。ヤマブキ・ニリンソウ・ミヤマカタバミ・エンゴグサ、そして木々には漸く開き掛けた新芽。辺りが淡い黄緑色に覆われている。また、山桜も所々に残っており、まだまだ「春はこれから」という空気一杯である。

途中で、「ホーホー、ホッホー」という鳴き声が聞こえる。一同耳を澄ませてその声に聞き入るがナンの鳥なのか誰もさっぱりわからない。帰って来て福本先生に聞いて見ると「筒鳥」ではないかとのこと。まさに、尺八でも吹いているような声だった。

急な勾配もなく約2時間ほど歩いて「小荒島岳」へ到着。ここは、目的地の「荒島岳」を眼前に眺めることの出来る絶好のロケーション。これからの道のりを確実に捕らえることが出来、いよいよ気合が入る。この先は雪の残っている所もたくさんあるようで、ちょっと緊張する。「小荒島岳」からおよそ20〜30分、「シャクナゲ平」に到着。

ここは3つの登山口の合流点となる。その名の通りシャクナゲが美しいところのはずだが、今年はお目にかかることが出来なかった。たまに見かけたシャクナゲの枝には花の芽は見えず、参加者の談によると「この季節に花の芽がなかったら今年は咲かない」そうである。残念なことではあるが、自然のなせる技にはなにも言えない。

この辺りを過ぎると所々に残雪が現れてくる。思っていた以上に雪が残っていて、林の中の雪景色だけ見ているとまだまだ冬山のようである。雪そのものと、雪解けのぬかるみと、また前夜の霜の影響とで足元の悪いことこの上なし。スパッツを持って行かなかった事を後悔したが、先立たず・・・。

そんな中で、カタクリの花に出会う。たった1輪だが可憐に咲いていた。自然のカタクリを見たのは初めてで感動した。「イワウチワ」の花は群生していた。ピンクでなかなか可愛い花である。途中の「モチが壁」と呼ばれるところは勾配が急で足元も悪い。が、近年階段が付けられた模様で危険ではなくなっている。が、この階段は曲者で、段差が高く非常に疲れる。一足登るたびに息が上がってしまう。

道が完全に雪に隠されて、雪上を歩かねばならないところに出会う。雪山には一応経験有り(だと思っているのだが)なので、怖いわけではなかったが、ふと脇を見ると大変な勾配の坂である。踏み跡から外れて転んだらどうなるだろう??ずーっと谷底まで一気に行きそうでちょっとゾーッとする。慎重に歩いて雪上クリア。積雪は70〜80cmくらいか?深いとことだとまだ1mくらいはありそうだった。

そうこうして登山開始から約4時間半、荒島岳山頂に到着。山頂も北側半分には雪が残っており、雪合戦でも始めたいようなそんな衝動にかられる。既に撤去が決まっているそうだが反射鏡が2基設置されているのが景観を損なっているものの、それ以外には360度見渡す限り視界を遮るものは何もない。

北東方面には白山・別山。南西方面には能郷白山。どれもこれも雪をかぶったその姿がとても美しい。雲一つない!というわけには行かなかったが十二分に堪能することが出来た。2月に登った「武奈ケ岳」からも遠くに白山を眺めることが出来たが、今回はとても近くにその姿を見ることが出来た。だんだんと近づいているようでなんとなく嬉しい。白山にも是非登ってみたいものである。

シャクナゲ平までの下りは急で足元も悪い分、登りより随分気を使って下山。足元滑らしたら大変である。シャクナゲ平からは違うコースを行く。勝原スキー場を目指すコースだ。登りのコースと違ってこちらでは花にはほどんどお目にかからない。その上傾斜がわりにきつく、また階段も多く、膝に堪える上に飽きてきてしまった。

最後のスキー場のゲレンデは戴けない。石ころだらけで斜度は急で、こちらから登るコースだったらさぞ大変だっただろうと思う。でも、この勝原から登るコースが一番一般的らしい。(駐車場が下にあるから)

下山後は九頭竜温泉に使って疲れを落とし、ビールのほろ苦さに酔いながら山の空気の名残を楽しみ帰路に着く。次はどこへ行こうかと思いを馳せながら・・・。


tomoちゃんの部屋に戻る