お世話になった乗鞍バレー 青空を臨みながら露天風呂に 標高2700mのバスターミナル 剣が峰を臨む 剣が峰の頂上(楽勝!) 山頂からの眺め 屋根の布団がパッチワークのよう |
「番外編・乗鞍高原〜剣が峰」 そのペンションは「乗鞍バレー」といって、高原温泉地区より少々下の方の番所に位置する。いがやスキー場のそばである。天然温泉のお風呂が4つあり、そのうち1つは露天で、近日中にもう一つ露天をオープンする予定で建設中。バス停からペンションまでの道はそばの花・コスモスの他にもたくさんの美しい花が咲いいる。 早速露天風呂に入る。大きなヒノキの湯船にはたっぷりのお湯が溢れており、汗にまみれた私に「おいでおいで」しているようである。しかし、まずシャワーへ・・・。壊れそうなそのシャワーではあったが、お湯はしっかり出て頭・顔・体と洗う。お湯を頭からかぶることの、なんと気持ちの良いことか??とても贅沢な気分である。3日間の垢をきれいに落として、ようやく温泉に身を投じる。ひりひりと痛い!気づかぬうちに腕や首の後ろが日に焼けていた。しかし、青空を望みながらお風呂に浸かるのって、こんなに気分良いものだったのか! 食事はお父さんの手作り(もちろん)、和洋折衷であるがこのペンションはお母さんの手打ち麺が自慢である。最初に出てきたのは冷たいうどんの小鉢。前菜代わりか・・。お風呂上りにその冷たく腰のしっかりしたうどんがとても美味しい。食事の解説は控えるが、にじますや岩魚の塩焼きは清流に近いところならではのお味で、お米にもこだわっていて、決まった畑と契約してお米を買っているそうだ。その辺で買うとブレンドされてしまって・・・、とお父さん談。とにかく食事が美味しい。女二人でおひつを殻にしたお客はそういないのではないか?? 翌日はお天気も良さそうなので、乗鞍岳に登ってみようという事になった。乗鞍岳剣が峰は標高3026mであるが、2700mまでバスで行けるので、お手軽登山が楽しめるところである。観光客には親しまれているが登山者には冷遇されているとの説明書きを見た。可愛そう・・・。山は山だと思いつつ、お手軽結構!と気合を入れる。 朝から確かにいい天気。朝食にはお母さん自慢の手作りパン。これがしっかりとしてて、少々甘味があって、バターなんて全然必要ないくらいに美味しい。食べきれなかったパンの残りと、夕べのご飯の残りをお握りにしたものをお弁当に持って、いざ出発。 2700mの畳平まで行くバスは1日に1便しかなく、それに乗り遅れるわけには行かない。さっさと歩いて乗車。時間にして1時間くらい乗ることになる。料金2300円。これはちょっと高いのではないか??と思いつつ、車中を過ごす。畳平に近づくにつれ、あたりの景色はハイマツと少しのナナカマドに覆われたものになってきた。まだ紅葉には少し早いが、岐阜県側は赤色、富山県側は黄色に紅葉するらしい。(逆だったかな??)9月下旬〜10月上旬が見頃なのだそうだ。 畳平を降りると流石に気温がかなり低いのがわかる。寒い!さあ、ここから1時間半ほどで頂上の剣が峰に行けるのだ、頑張って歩こう!周辺地図を見ながら歩く。近くにたくさんの岳があり、どれが剣が峰なのか最初わからなかった。ようやく発見。遠い!!しかし、歩けば到達する。そう思い、地道に歩き続ける。 流石に観光客が気楽に歩けるという山だけに、石場は多いが歩きやすく整えられている。眺めもよく、周辺のコロナ観測所や他の岳もよく見える。遠く穂高も見えるらしいが、あいにくその日は雲に覆われて見ることは出来なかった。乗鞍へ行ったなら、せっかくだからこの畳平まで行って欲しい。たとえ剣が峰に上らなくても、小さな山がたくさんあって、ハイキングを楽しめるし、展望も望める。高山植物にも出会える。ここを見ずに乗鞍を後にするのはとても惜しいと思う。 山頂は風がきつく、岩影を探して風をよけ、お昼にする。風は冷たいが陽射しはかなり強く、岩肌はとても暖まっている。岩に持たれると背中が温かく眠たくなる。実際気持ちよさそうに眠っている人もいた。贅沢な時間だと思う。 下りはさっさと下りてきて、途中雪渓がよく見えるところで立ち止まる。と、スキーをしている人を見付けることが出来た。一人黙々と滑っている。当然リフトなんかない。自分の足で登っては滑って下りてくる。根性ある人である。また飽きずにずーっとそれを見ていた私達も物好きである。 畳平から街へ帰ってくるバスもまた1日1便で、なんとも不便。最近はマイカー旅行者が多く、バスの利用者は少ないようである。そのバスに乗って、温泉街で下車。「ゆけむり館」という公共の浴場に行く。乗り鞍温泉は白骨温泉のように、乳白色の温泉がある。ここの「ゆけむり館」はまさにその乳白色の温泉だった。とてもリラックス。しかし、話には聞いていたが、その温泉の硫黄の臭いがいつまでも体から抜けなかった。「ゆけむり館」からペンションまで、もうバスはない。約1時間の道のりをサイクリング道を歩いて帰る。公共交通機関の便が良いともっといいのに〜! 二晩目の食事も美味しく頂き、食後にはお父さんのサービスでウィスキーを飲みながら一緒におしゃべりして時間を過ごす。なんとなく、親せきの家に遊びに来たような感覚でいられるアットホームなペンションだった。お母さんの具合が早く良くなることを祈りつつ、乗鞍を後にする。 〜2泊3日の山歩き、2泊3日の温泉ツアーと贅沢な休暇を過ごすことが出来た。あー、また会社に行かねば!と思いつつ、気持ちは来春の山に向いている〜 |