北アルプス体験01.08.24


いよいよ出発!初北アルプス!

トリカブト

目指す独標まであと少し!

こんな岩の上を歩いたのです

やった〜!ついに到着

子供の頃から忍耐力・精神力を要することはとても苦手で、楽をすることばかり考えていた。特に中学〜高校の間は冬になるとマラソンがあって、これは本当に苦手で、どうやってサボるか??そればっかり考えていたような気がする。そんな私が突然山にはまった・・・。この表現が正しいかどうかはわからないけれど、山に魅せられたことは確かである。

自然館さんの主催する春・秋の山歩きに始めて参加したのはもう何年前のことだろう。その山歩きの初参加の時でさえ、歩く時間の長さと山道の厳しさにとても疲れた。(今では笑ってしまうけど・・、同行していた人の笑い声も聞こえる・・どこがっ厳しい!って)
近年里山ハイクの回数も増え、今年に入ってからは2ケ月に1度のペースで色々な企画があった。私は順調に皆勤賞状態である。それどころか、それだけに満足できず、いつも引率してくださる先生に教えていただき、家から遠くない山へ1人で登ってみたりもした。
そして今回、とうとう北アルプスへまで足を伸ばすことにした。

本当はもっともっと奥深いところへ行きたかったのだけれど、さすがになんの知識も経験もないのにいきなり1人で北アルプスを数日かけて歩くのは不安も多々あり、周りの反対もあったので、JTBが取扱っているのトレッキングツアーに参加した。夜行バスで1泊実質日帰りツアー「西穂高独標」である。

8月24日(金)台風一過の天候を心配しつつ、天気予報では晴れ。それを信じつつ久々の夜行バスなるものに乗車。普通の観光バスで参加者多数により満車。狭い車中で体が納まらない落ち着かない気分の中でも何とか睡眠をとり、翌25日(土)朝5時半頃に西穂高ロープウェイ乗場の駐車場到着。朝の空気は凛として体も目を覚ます。
空を見上げればお天気も上々の様子。遥か上の方に北アルプスの山並が望まれる。
ロープウェイの運行が7時〜なので、とりあえず駐車場で洗面を済ませ朝食を取り装備を整える。好天だからか季節がよいからか、登山者の人の数はかなりのようである。
ロープウェイに並ぶ人の列が長い・・・。7時丁度に運行開始。行列が長かったので乗車に時間がかかるが2本のロープウェイを乗り継ぎ標高2156mまで一気に上る。下では仰ぎ見るほどの上に見えた笠ケ岳がロープウェイで上ると共に近くなり、山頂駅ではまさに目線の高さに見えている。こんなに高いところへ一気に上ってしまう文明の力はすごい!

ロープウェイの山頂駅の展望台からの眺めは爽快で、北アルプスが一望出来る。添乗員さん曰く「こんなに展望のよい日にあたるとは幸運な・・」とのこと。
意気を新たに朝8時登山開始。大きな岩や木の根があらわになった道を黙々と登る。特に展望がよいわけではなく、道も勿論細い。斜度もそれなりにあるのだろう、息が切れる。
たくさんの登山者の一行が、抜きつ抜かれつそれぞれのペースで登って行く。私達も時々給水タイムを取りながら着々と上り、標高2385mの西穂高山荘へ9時15分頃に到着。
ここまで登ると景色を遮る程の高木は少なくなっており、山荘からは焼岳が正面に見え、その下には上高地の大正池が広がっている。その反対側には遠く槍ケ岳から穂高連峰の全景が見渡せる。まさに大パノラマで言葉もない。ふと足元を見ると、とりかぶとの紫色の綺麗な花が咲いていた。

そこから上は大きな岩の道。急な上りを15分〜20分くらいか。左右になにもない稜線に出る。右下には上高地を望み、左側には遠くに笠ケ岳から連なる山々が見える。正面には目指す西穂高独標がはっきりとらえることが出来るようになった。
呑気に景色を眺めて歩いたのは多分数分のことで、またしても石ころだらけの上り道にさしかかる。登っても登っても石また石で、足元は滑りやすいし嫌気がさしてくる。周りに小学生の軍団がいて、サボりたがる子供に叱咤激励する引率者達。その引率者の言葉を聞きながら「小学生に負けてはいられない」と自分に言い聞かせ、足を1歩1歩前へ進めて行った。独標の上の人の影が自分の眼で確認出来るころには、しんどさよりも早く到達したい気持ちが一杯で、ひたすら上を目指す。
石ころどころか全く岩の搭のような独標、最後の上りの所の足元にひっそりと小さな石碑があった。30数年前に高校生のパーティがそこで落雷に会って亡くなっているらしい。お天気さえ良ければとても穏やかで雄大な姿を見せてくれる北アルプスであるが、やはり大自然は危険と背中合わせだと思う一瞬。小学生でも上れる山だけど、それでも1歩踏み外せば転落事故の危険も確かにあるのだ。心してしがみつくように上り、ようやく頂上に到達した。山荘から約1時間半。標高2701m「西穂高独標」である。

そこはまさに別天地のよう。西穂高山荘からの眺めなんで・・・と言いたくなる正に360度のパノラマである。自分がすべての頂点に立っているような錯覚を興す眺めである。陽射しの暑さは山の冷気で流し去り、登ってきた息の切れも汗もどこかへ飛んで行ってしまった。ここまで登ってきた人だけが味わうことの出来る達成感というのだろうか。デンとそこに居座っていたかったけれども、山頂は大ラッシュ。足の踏み場もないほどの混雑。下から登ってくる人に場所を空けなければならない。後ろ髪を引かれつつも独標を後にした。目の前に西穂高岳があり、そこに行けないのはとても残念であるが、独標から向こうは素人には行けない危険地帯らしい。行けない神秘の山として眼の奥にその姿だけを留めて下山することにする。

石道の下りは滑りやすく、それなりに神経を使って下りてきた。登った同じ道を下るので、なんとなく道には馴染みがあるような気がする。お腹もすっかり空いてきて下る足は早くなる。流石に上りより時間は早い。余裕も出てきて周りの植物にも眼が留まる。山の空気を名残惜しみながら、ロープウェイ山頂駅到着午後1時半過ぎ。
下山後は昼食、温泉を楽しみ、山が遠ざかって行くのを眺めながら睡魔に誘われてバスの
中で夢に落ち、初北アルプス体験は終了となった。


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