「キノコ採りハイク」02.10.26.


ノブドウ

ヨメナ

クリフウセンタケ

ベニヒガサ

クサウラベニタケ

コマエミ

ナツハゼ

ショウゲンジダケ

ヒイラギの花

2002年10月26日  曇り一時雨

先週の予定が雨で流れ、1週間遅れのキノコ狩りハイキングとなった。しかし今日も雨の予報。「雨が降っても決行」ということで、JR宝塚駅に午前9時集合していただいた。参加者は私を含め5名、キノコ採りにはちょうど頃合いの人数である。

例年通り、とある田舎駅で下車し、森に入るまでの道中、林縁の草木を観察しながら進む。いつもながらの、この会の特徴ではあるが、今日もまた一向に歩みがはかどらない。今日は雨だから、そして同じ道を引き返すからということで、「まずキノコのある森へ行きましょう」と言っていたのにもかかわらず。

トキリマメ、クズ、コバノガマズミ、ノブドウ、ノイバラ、ムラサキシキブ、イヌツゲなどの草木の実(コバノガマズミは食べられるのでまだ酸っぱいが少し口にする)や、コウヤボウキ、ツリガネニンジン、ヨメナ(これは群生していて綺麗だった)などの花を見ていると、どうしても時間が過ぎてしまう。

そんなわけで、とうとう森に入る前に早くも雨が降り始めてしまった。これで諦めがつき歩みを速めるが、森の入り口付近で本格的に雨が降り出し、仕方なく雨合羽を身につける。

森に入るとすぐに、赤いドクベニタケとその近縁のベニタケの仲間、そして少し古くなったフウウセンタケの仲間のキノコが点々と生えていた。「こんな状態であれば少し期待ができるかも。」雨の中をわざわざ参加いただいた方にも、何とか言い訳ができそうだ。

やがて最初の目的地に到着。道をそれて山の中へ入ると、早速クリフウセンタケが現れた。少し遅いが何とか食べられそうだ(その後もこのキノコは次々に現れたが、ちょうど1週間ほどの遅れで食べられなくなったものがほとんどであった。先週であればどれだけ沢山のキノコが収穫できた分からないほどの発生量だ)。

そのほかエセオミリキ、モリノカレバタケ、ハナビラニカワタケと少しずつではあるが頂く。鮮やかな赤が目を惹くヒイロガサ、毒キノコのドクツルタケやクサウラベニタケなど、様々なキノコが生えている。

一旦道に戻り奥に進むと、今度はアミタケが次々と現れてくる。勿論これも頂いていきましょう。

林を抜けて少し明るいところへ出ると、足元にリンドウやアキノキリンソウの花が咲き、コマユミやナツハゼ(これは往復口にした)の実にも出会った。

さらに進むとショウゲンジタケ(これはその後もたくさん見られた)やムラサキアブラシメジモドキの群生もあり、それぞれ収穫していく。100本ほどのクリフウセンタケが大きな輪を描いて(菌輪という)群生しているのにも出会った。遠くからでも分かるほど壮大な光景に出会うと、キノコ採りの楽しさを実感できる。が、残念ながら少し遅すぎた。

その後はサクラシメジ、カバイロツルタケ、ヌメリササタケを少しずつ採り、午後2時を少し過ぎていたが、細い流れのそばで遅い昼食とする。雨はもう止んでいた。

雨を予想していたので今日は焚き火をせず、飯盒でご飯も炊かない。コンロでキノコ(ヌメリササタケ、カバイロツルタケなど)汁を作り、主食の餅を入れる(力汁とでもいうべきか)。それからクリフウセンタケのバター炒め。持参された清酒とワインを頂いて宴は始まる。

昨年のこの会は散々であった(超がつくほどの不作) ので、キノコだけではなく葉っぱやその他色々なものをてんぷらにして食べたことや、今年もマッタケには出会えなかったこと、その他過去の里山クラブのことなど話は途絶えることがない。ただいつも賑やかな人たちが今回参加されていないので、心なしか少し静かな宴ではあったが。

最後は里山クラブ初めての「お抹茶」で締めくくり。緋毛氈は敷かれてはいないが、落ち葉の上で頂く「野点」否や「山点」は、なかなか乙なもの。

12月の会では紅葉を愛でながら、それこそ紅葉の緋毛氈の上で頂けることを期待しながら、そろそろ宴の終えるときが来た。料理にキノコをあまり使わなかったので、その分お土産のキノコがたくさん。紙袋に入れ、コシダの葉で被えばまるでマッタケがいっぱい詰まっているかのよう。

行きはキノコ探しをしながら森の中を彷徨っていたので、随分歩いたような気がしたが、帰りは道を歩くだけ。「こんなに近かったの?」という皆さんの感想。あっけないほど早く森を抜けてしまった。

間もなく夕暮れ、森にいる間にいつしか空は晴れ渡っていた。多少寄り道をしながらも、やがて日没前にとある田舎駅に帰り着く。

わずかな距離であったが、「犬の川端歩き」のようなダラダラ歩きをしていたので、すっかりくたびれてしまった。こういう一日を過ごすことができるのも、里山クラブのおかげ。体も心もすっかり緩んでしまった。
「たくさんのキノコに出会え、皆さん満足して頂けたでしょうか?」

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