10月14日(土曜日)JR宝塚駅に午前9時に集合。全員で11名の大世帯となり、これだけの人数の胃を満たすほどキノコが採れるのだろうかと、いささか悲愴的になりながらもとりあえず出発することにしました。電車に乗り、とある田舎駅で下車してさあ行動開始。
最初はヤマノイモのムカゴを採ったり、まだすっぱいガマズミの赤い実をついばんだり、あるいはいろんな草や木の実を愛で、やがて山の中へと入って行きます。しばらくはベニタケ科やイグチ科の朽ちたようなキノコが散発的に出てくるだけでしたが、やがてテングタケ科のドクツルタケやタマシロオニタケ、あるいはイッポンシメジ科のクサウラベニタケといった毒キノコがたくさん出てきて、目だけはずいぶん楽しめるようになってきました。
その後やっとお待ちかねの食用キノコ、クリフウセンタケ、アミタケ、サクラシメジの群生が出現し、参加者の歓声があがりました。少し古くなっていて食用にできるのはその中の半分から三分の一程度ですが、列を作って並ぶキノコを目の当たりにして(それも食用ということで)大いに感激しているようでした。
今年はクリフウセンタケが豊作で、例年生えていない場所にも列を作っており、籠や袋の中は大半をこのキノコが占めることになりました。その他ヌメリササタケ、カバイロツルタケ、オウギタケといったキノコを少しずつ収穫して、ちょうど12時頃、昼食の目的地である小さな流れの傍に到着。一同手分けして食事の準備にかかります。
クリフウセンタケやアミタケには虫が多く入っているので薄い塩水に浸し、まず虫出しをしてから料理に使います。米を磨ぐ人、薪を集める人、キノコを洗う人、持っていった野菜を切る人などみんながそれぞれ協力して作業をします。過去の山菜ハイクやキノコハイクに何度も参加している人も多く、手際よく作業が進められるので、私(福本)は、作業を参加者に任せ再び藪の中へ入りました。
新たにウラベニホテイシメジ、シャカシメジ、ニンギョウタケが見つかり、殊にシャカシメジはたくさん採れ、新たなメニューが加わることになりました。到着から2時間余り、やっとキノコ料理のできあがりです。
サクラシメジの天ぷら、ムカゴ入りのクリフウセンタケとシャカシメジのキノコ飯、アミタケ・ヌメリササタケ・カバイロツルタケ・オウギタケのキノコ汁、ニンギョウタケの酢の物、ウラベニホテイシメジのバター炒め、そしてシャカシメジの油炒めと豊富なメニューの昼食です。
ワインを注ぎ乾杯。「こんなに採れるとは思わなかった」「おいしい」という満足気な声に、やっとプレッシャーから開放され、少しのワインでほろ酔いとなる私でありました。「先週の下見の際に並べて置いたのと違うか」などと冗談をほざく輩もいましたが、並んだ満足顔を前に下見までした甲斐があったというものです。
食事の儀式もやがて終了し、次第に夕暮れに近づく中を更に一時間半ほど歩き、とある駅にたどり着いて今回のキノコハイクも無事終了致しました。本当は子孫を繁栄させる為に現われるキノコですが、山の幸とし頂戴できた幸せを心から感謝致します。
※今回は、引率して下さった福本さんから原稿をいただきました。有り難うございました。そしてお疲れさまでした。