一年のうちで自然の営みの美しさと力強さを最も印象付けられる季節になりました。4月22日(土)朝8時、今回は地下鉄千里中央駅横バス乗り場から出発です。前回の冬枯れハイクをしのぐ小学生1名を含む12名の参加者で、「余野」行きの阪急バスは早くも貸し切りの観光バス状態(同乗のお客さんごめんなさい)の盛り上がり。前夜の雨はすっかり上がって暖かい日差しの中目的地を目指します。
(写真は、今年2年生になったこーちゃん、最後まで元気いっぱいでした。また一緒に行こーね)
50分ほどバスに揺られ注意事項の確認後いざ自然の中へ。いきなり一面のつくしに遭遇し参加者一同やや興奮気味で採りまくり状態に突入。これが後々祟るとは誰も気づいていませんでした。
(写真は、参加者に野草の説明をしている福本先生今回は大人数だったので随分迷惑をお掛けしました。有り難うございました。)
今年は春の訪れがやや遅かったのですがそれでも、ワラビ、ゼンマイ、ミツバ、ヨメナ、ミツバアケビ、ヤマアジサイ、ヤブカンゾウ、タラノメ、コシアブラ、カンサイタンポポ等々(詳しくは野草図鑑を御覧下さい。)春の山菜と野草のオンパレード、これだから「山菜ハイク」は止められない。
(写真は、つくし取りに命をかける参加者一同、取りきれないほどたくさんあったのですが・・・)
ひとしきり採取した後少し歩いて水場で昼食の準備に入ります。今回は参加人数が多いので作業分担もうまくいき(個人的には久々で御飯当番役から開放されました)、楽々で天ぷらタイムに突入、のはずでした。が、世の中そんなには甘くない、最初からつくしの袴取りをしていたグループが「何でこんなにたくさんあるの?」とこの時点でお疲れモードに入ってしまいました。取っても取ってもつくしの山に「あんなに採らなきゃ良かった」の声ももはや後の祭り。歯を食いしばって袴取りを貫徹された皆様、本当にお疲れ様でした。
で、お料理タイムです。今回は「あく抜き」の実践をレポート致します。ただしあくまで採って直ぐの方法ですので、一日経った状態の山菜や野草には必ずしも当てはまらないかもしれません。その旨御了承ください。それではわらびからスタートです。御飯が炊き上がったところで残った灰(なければ重曹)を沸かしたお湯に投じ、わらびを入れて火を止めそのままの状態で置きます。
(写真奥がワラビ、手前は出来上がったつくしです。天つゆを作った出汁に醤油を少し加えて味付けしました)
次に「塩茹で」のものを準備します。「あく抜き」はあくが強いものからが原則ですが「塩茹で」する場合はあくの弱いものから順番にゆがくと何回もお湯をかえずに済みます。この際、ひとつゆがくごとに必ず塩を足すのがポイントです。
今回はミツバアケビ(写真)→ヤマアジサイ→ヤブカンゾウ→ヨメナ→つくしの順にゆがきました。つくしをゆがくころには湯が真っ黒になっていましたので、山菜&野草はとって直ぐの場合でもキチンと「あく抜き」するのが基本です。ミツバアケビはゆがいた後、水にさらしておきます。
ヨメナはあくが多いのでややひつこいぐらいに水を替え絞ることを繰り返します。泡がたくさん出てきます。ミツバアケビは十分水にさらした後おひたしに、ヤブカンゾウはぬたに(写真右)、ヨメナは胡麻和え(写真左)とヨメナ御飯につくしは煮物にしました。
ひととおり出来た後、いよいよ天ぷらです。天ぷら用の山菜&野草は基本的に「あく抜き」の必要がありません。ただしあまりたくさん食べ過ぎると、翌日赤い顔になってしまうので控えめにしましょう。(写真はタラノメを揚げているところ)
とはいっても揚げ立てはおいしいのでついつい食べ過ぎます。胸焼けを抑えるために大根おろしは必須です。従ってくれぐれもおろし器の準備をお忘れなく。ちなみに、私たちも一回忘れてのしまい仕方なく刻んだ大根を食べたのですがこれは大根おろしとは全くの別物でした。
タラノメから始まりコシアブラ、ゼンマイと進みます。山菜&野草は天ぷらにすれば大体なんでも食べられるようです(ただしキンポウゲの一族には毒があるものがあるので要注意)。今回は関西タンポポと余り野草のかき揚げ風天ぷらを試してみたのですが大好評でした。落ち着いたところでワラビの煮びたしとヨメナ御飯が登場し味噌汁を食べるころには一同大満足、今回も楽しい「山菜ハイク」となりました。