「芦生の森から」06.06.04.


タニウツギ

ムロウテンナンショウ

滝谷中俣左岸枝谷

ギンラン

天狗岳山頂北側

ベニバナのギンリョウソウ

ヤマダニ

タツナミソウ属の花

ユゴ谷

大谷出合付近

大谷

三ボケ

アシウテンナンショウ

サラサドウダン

2006年6月4日曇り・久多(岩屋谷出合)〜滝谷〜天狗岳〜ユゴ谷〜大谷三ボケ〜P936m〜府立大演習林南縁尾根〜久多(岩屋谷出合)

天気予報に反し、曇っている。午前5時30分、久多の岩屋谷出合を出発。滝谷の林道終点までに出会う花はピンクのタニウツギ、白いヤブデマリ程度で、小さな草本類の花はほとんど姿を消してしまった。

最近雨らしい雨が降っていなかったので、川の水量も少な目で、岩に張り付く植物も心なしか元気がない。馬尾滝の右岸を高巻き、その上の三俣で真ん中の谷に入り、すぐ右から入る枝谷を登る。この谷は城丹国境稜線までずっと等高線が混んでいるので傾斜がきつそうだ。

滝が現れ始めたところで渓流足袋に履き替えた。始めて入る谷だけれども、大したことはないだろうと読んでいたが、けっこう滝が多くその上ホールドやスタンスが少ない。高巻くほどの所はなかったが、どれも緊張する滝ばかりであり、滝谷の谷の中で最も難度の高い谷と思われる。登り終えて「この谷にはしばらくは入りたくないなあ」と思ったほど。城丹国境午前7時20分着。

すっかり緑の濃くなった国境稜線を小鳥やハルゼミの声を聞きながら北上し、天狗岳山頂午前8時ちょうど着。天狗岳から由良川へ下るルートは幾つかあるが、今日はまだ通ったことのない北尾根を下ることにする。

先週大谷出合付近を通過した際、この尾根の末端がかなり急になっており、場所によっては岩壁となって落ちていることを確認していた。そこで万一のことを考えて、40mザイルを背負ってきたので、今日のザックはいつになく重い。下ってみた結果、尾根の上部はそれほど傾斜の強いところはなかったが、やはり最後はかなり急となって木に掴りながら下ることになった。ただ、最後までザイルのお世話にはなるようなところはなく、重い荷を背負ってくるまでのことはなかったようだ。

由良川に下りついてすぐ、首筋に「チクッ」と痛みを感じ触ってみると、何かがついている。手にとって見ると「ヤマダニ」だ。過去何度か喰らい付かれたことがあったが、今回は喰らい付く前に見つけたので助かった。「ダニのような奴」という表現どおり喰らい付くと離れない。釣り針の返しのような構造になっているのだろう。今までは仕方がないので食い込んだ歯だけを残して切り取り、あとは膿んできてから抜き取ることにしていたが、今回はそれをせずに済んで助かった(後でもう1匹付いていたのがわかったが、これも発見が早くて災難に遭わずに済んだ)。

由良川を少し下ると、秋の芦生で何度もお逢いしたTさんに出逢った。昨年の秋はすれ違ってばかりいたようで(車にメモを残していただいていた)、1年半ぶりの再会である。今日は須後から入山され、上谷から櫃倉へ回られるとのこと、しばらくお話して再会を約してお別れした。

由良川の水量も少し少な目で、水も温んで足を流れに浸していても心地よいほどである。今年になり七瀬・岩谷間の由良川源流を訪れるのは今回で6回目、殊に最近は4回連続となる。深い谷と豊かな流れ、そして両岸を彩る数々の花。春のこの一帯は芦生で最も素晴らしい領域であると実感した。通えば通うほど知る素晴らしさと深まる愛着、もう芦生以外の山へは行きたいと思わない、この山が最高だ。

ユゴ谷出合午前10時15分、今日はこのユゴ谷に入る。始めての谷はいつも入谷するときに不安を感じるものであるが、この谷は最後まで難所はなく危険を感じるところは全くなかった。ただそそり立つ岩壁の上へ谷を回りこんで登り着くと、その岩壁の岩が恐竜の背のように飛び出して少し変わった景観を作っていた。面白そうなので少し寄り道をし、そのうちの一つの岩に登って遊んだ。

七瀬中尾根分岐から続く尾根に登りつき、今度はこれを大谷出合方面に向かって下る。P694m付近からの下りがはっきりせず、一度下り始めて誤っていると気付き、戻って違うところを再び下ったが、それも予定と違っていた。相当下ったのでもう戻るわけにはいかず、最後まで下ることにしたが、傾斜がきつくて渓流足袋だと落ち葉でスリップする。

あまり急なところは後ろ向きになって、足の指先を地面に突き刺して下ったが、とうとうそれも限界となり、やむなく20mの細引きを立ち木に掛けて下った。一旦大谷出合の高巻道に出合ったが、登山道を辿ると時間がかかりそうなので、そのままこれを横切って由良川まで下る。そこは先ほど天狗岳から下りついたところとちょうど同じ場所、大谷出合の少し下流であった。大谷出合12時45分着。

今日はまだあまり歩いていないのにザイルの重みのせいか疲れが出てくる。出合の平らな岩に座り、食事を摂りながら由良川の流れを眺めていると、しみじみ芦生の良さあり難さを感じると共に、「いつまでここへ来られるのだろうか」と、老いていくことへの避けがたい哀しみの過るのを感じるのであった。

大谷に入りいつものようにカツラの大木に挨拶、今日は三ボケを登る。最後の大滝はその下の2段20mの滝から続けて右岸を高巻くが、今年の大雪で木が倒れて邪魔をしている。ロノロノ谷出合から更に三ボケを溯り、平坦地が広がってきたところから、右側に尾根を上って城丹国境尾根に合流する。

P936m、15時35分通過、今日も府大演習林南縁尾根を下り、途中から枝尾根に入って岩屋谷出合付近に下り着く。下るほどに暑さを感じるようになり、そろそろ山旅の最後は水浴びで締めくくれるような季節になったようだ。16時35分岩屋谷出合着。


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